2026/10/06 07:00

かつて、母ポイントフラッグの初仔としてメジロマックイーンの血を継ぐハニーフラッグが生まれた。血統を繋ぐため、繁殖入りが決まるも急性心不全で急逝した。

その喪失のあとに同母ポイントフラッグとステイゴールドの間に生まれたのが、ゴールドシップだった。

画像)スタジオリーヴス「サラブレッドアート」ゴールドシップ写真集より(ビッグレッドファーム)

彼が見せた規格外のストライド、常識を嘲笑うかのような破天荒な走りは、繁殖で血を残せなかった半姉の想いを背負い、メジロマックイーンのバイアリーターク系の血とステイゴールドの血をしっかりと受け継いだのだった。


そして時を超え、新冠の大狩部牧場で、ゴールドシップの血を受け継いだ命の哀切と希望の物語が繰り返される。

2024年の春、大狩部牧場で産声をあげたスパークオブライフの2024。

生まれてまもなく急性胸膜肺炎を発症、わずか一ヶ月余りで光を奪われた幼き全兄。名前すら持たぬまま逝った。大狩部牧場は翌年再び同配合に挑んだ。そうして2025年この世に降りたったのが、全妹スパークオブライフ2025である。

画像)YouTube大狩部牧場・下村社長チャンネルにて スパークオブライフの2025誕生から間もない日

ゴールドシップと、スパークオブライフ2025。

ふたりを結ぶのは「思い半ばに命を失った兄姉がいる」という宿命。もしハニーフラッグが生きていたら、ゴールドシップという奇跡は生まれなかったかもしれない。もしスパークオブライフの2024が無事に育っていたら、2025年の全妹であるスパークオブライフの2025は別の父だったかもしれない。

彼らは喪失のその先に途切れかけた血脈を背負い「走れなかった者の代わり」として、この世に呼び戻されたのだ。

かつて父ゴールドシップが姉の無念をねじ伏せるようにターフを呑み込んだように、今度はその娘であるスパークオブライフの2025が、名もなき兄の果たせなかった夢をその背に負い、まだ見ぬ緑のターフへと力強く歩み出していく。